11月17日久万美術館で開催の「森堯茂展」を見に行ったときのことです。
おりしも山は紅葉に彩られている季節、落ち葉舞い散る庭内を歩いていると、なんとユリの花が咲いているではありませんか。しかもアスファルトの隙間から立ち上がっていたのです。
高原のことですから温度も低く肌寒いほどでした。これも地球温暖化のせいか、などという野暮なことはさておき、情緒的にそのいじらしさ、可憐さを愛でるのがふさわしいだろう、と撮ったのがこの写真です。
ユリは球根のはずです。どのようにしてアスファルトの下で根づき、芽を出してきたのでしょう。そのたくましい生命力に驚かされ、しばし感じ入り眺めていました。
こんな小さな生命とはいえ、出会いの瞬間ハッとして胸を突かれました。
そんな経験は誰にでもあるものと思われますが、美術館の展示作品「鉄を素材の彫刻」のどっしりとした芸術品と、はかなげな「ユリの花」の取り合わせに、同時に触れることが出来たひとときでした。
これまた、一期一会の出会いであったか、との思いがした一日でした。
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