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道路の下をのぞくと、
居ました、音の主です・・・
なんじゃい、こりゃ・・・? |
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向こうさんも、
「なんじゃい、こりゃ・・?」
という感じで、
こちらを見ました。 |
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へえ〜 瓜っ子、瓜坊です。
猪(いのしし)の子供です。
のんきに、エサなんか
ほじくっている時じゃないだろ。
それに「ブイブイ」いうから、
気づかれるんだ。 |
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今朝、お母さんと一緒に
山へ帰るはずじゃ
なかったのかい?
「ソリャ、ソウデス。
ハグレマシタ。」 |
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仕方ないね、
早く帰ることだね。
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これこれ、
そっちの方角じゃないと
思うけどね・・・ |
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そーら
違うじゃろが・・ |
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エサなんか
探してる場合じゃ
ないぞ。 |
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お母さんが
捜していると
思うよ。 |
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なんじゃいまた、、
こっち来て |
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そんなに
お腹空いてるのか? |
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そこは、降りれないよ。 |
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コンクリートの溝だよ、
見りゃ、分かるだろ? |
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無理だと、言ってるだろ。 |
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そうそう、
そこよ、
管理の行き届いてない
草ぼうぼうのところなら
降りれるんだ。 |
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さあ、走って走って・・ |
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水陸両用で、勇ましいね、
その調子、そのちょうし。 |
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どんどん走れ |
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何で止まるんだ? |
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何? なんか用? |
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誰にも言うな、って? |
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言やしないよ、 |
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言わないったら、
信用しな。 |
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では、さよなら、だ。 |
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まだ、気になるのかい? |
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引き返すのか? |
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ほらほら、
お犬様が来たよ。 |
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うーうー、唸ってたけど、
人間様にうなっていたん
だからね、
気づいてないよ。 |
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何を嗅いでいるのかね、
ゆうべの
君らの足跡かもね・・・ |
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君ら一族は、
ちょっと狼藉が
過ぎるんだよ。 |
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お百姓さんが
困っているよ。
毎晩のことだろ。 |
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帰ったら、
お母さんに
言っときな。 |
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出来れば、
エサは山で
とるようにとな、
分かったかな? |
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またまた、道草くわず、
早く、帰ることじゃ・・
もう知らないよ。 |
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お犬様は、
お帰りだ。 |